鳥の日記

いろいろと書いていきます。

所属先は複数持っておいたほうが良いと思います。-しろいろの街の、その骨の体温の

どうやら「スクールカーストもの」として話題となっている本書です。確かに「分かる!分かる!」と納得できるほどの生々しい描写が特徴です。

スクールカーストに人々が苦しむ理由は「居場所問題」にあります。結局、居場所を失うことが怖くて、人間関係ピラミッドのバランスを維持することに頭や心を悩ませるのでしょう。

スクールを離れても存在しているのが、スクールカーストの問題です。例えば、職場でも。その解決策として、ボクが提案したいのがこのエントリのタイトルにあるように、「所属先は複数持っていたほうが良くない?」ということです。

 

小説の話に入ります。物語の舞台は開発途上のニュータウン新興住宅街、タイトルにあるしろいろの街はこの舞台の街の特徴について述べています。すべてが新しく悪い意味で特徴もない「しろいろの街」ということなんでしょう。
この街に暮らす主人公である結佳を語り手として、小学4年生と中学2年生の2つの時期での交友関係、スクールカースト制度などについてが描かれています。

本書の感想として、作品自体の出来に対しては大変評価している人が多数のなかで、内容については「読んでいて苦しくなってくる」「痛々しい内容」などという感想が多く見受けられました。
ボクの感想としては、確かに、読んでいる最中は痛々しい内容に苦しい感覚を覚えました。しかし読了後には、案外スッキリとした気分になっていました。

 

クラスは世界のすべてか? 

スクールカーストを題材としたもので主人公および登場人物がいちばん怖れているのがクラスから除外されてしまう(居場所を失う)ことです。彼ら彼女らにとってクラスは世界のすべてなのです。本当はそんなことはありません。クラスは世界のすべてではありません。ただどうしても、1日を過ごす時間の大半がクラスにあることから、すべてではないにしても限りなくすべてに近いと思えてしまうのはどうしようもないことです。ボクが中高生であった時もそうでした。 

あの頃に出会いたかった一冊

ボクが読了後にスッキリした気分になれたのは、「自分がこの物語の登場人物と同じ歳の頃に、この本に出会えていたらどれだけ救われたんだろう。どれだけ楽な気持ちになれただろう。」という感想を持ったからです。いまさら、自分が中高生時代に戻れないしても、これから生きていく上で本書を読んだことで強くなれました。

 所属先で居場所を失うと自分がその世界から追い出された存在であるかと思ってしまいます。人間関係の悩みは深くて、取り戻そうとしても容易には取り戻すことはできません。

「だったら単純に居場所を複数作っておけば良いじゃないか?」それがボクの考えられる解決策です。

本書ではカーストを客観視することで、ここ(クラス)=世界すべてではないということを知ることが出来ます。

中高生に読んでほしいです。

オススメです!

しろいろの街の、その骨の体温の

しろいろの街の、その骨の体温の