鳥の日記

いろいろと書いていきます。

【読書メモ】弱いつながり 検索ワードを探す旅

「弱いつながり 検索ワードを探す旅」という本を読みました。この本との出会いは、たまたま、ボクが購読しているブログ等の書評記事をいくつか読んで興味が湧いたことがきっかけでした。

弱いつながり 検索ワードを探す旅

弱いつながり 検索ワードを探す旅

 

 本書は検索と観光をテーマとして、自己啓発本のスタイルでインターネットが発達した今の世の中で重要なものはタイトルにある「弱いつながり」であると主張されています。

 弱いつながりとは、弱い紐帯の強み とは - コトバンク

 本書内では、強い絆と弱い絆という言葉で説明されます。前者は、家族や仲の良い友人、職場の同僚などの深い知り合いのことを言っていて、一方後者は、ちょっとした知り合いといった浅い知り合いのことを言っています。そして、浅い知り合いの人々からの方がその人にとって価値のある情報や紹介があるということです。例えば同じ転職話でも、いつも顔を合わしている友人や職場の同僚からの紹介よりも、たまたまこの前のパーティーで出会った人からの紹介の方がその人にとって結果的に満足度が高いそうです。

 本書ではボクたちの生活並びに考えることの多くは、環境によって規定されていると書かれています。

ぼくたちは環境に規定されています。「かけがいのない個人」などというものは存在しません。ぼくたちが考えること、思いつくこと、欲望することは、たいてい環境から予測可能なことでしかない。あなたは、あなたの環境から予測されるパラメータの集合でしかない。

さらに

自分を変えるためには、環境を変えるしかない。人間は環境に抵抗することはできない。環境を改変することもできない。だとすれば環境を変える=移動するしかない。

 ここでいう「移動」が、テーマである「旅」=「観光」につながってくるのです。

ボクが本書を読み新たな発見というか、「へぇ~!」と興味深かったことは旅によって新しい「検索ワード」と出会うという指摘でした。

旅は「自分」ではなく「検索ワード」を変える

ボクは旅が好きで、休みが長く取れるようであれば必ずどこかへ行くようにしています。なぜ旅をするのかと自問してみると、答えとして、1つめは「楽しいから」2つめにくるのが「日常が退屈だから」というものです。周りの知人友人には旅は楽しいから行くんだよと言っている一方で、きっと「自分を変えたい」なんて願望を隠し持っていました。

というわけで、国内海外いろんなトコへ行ってきました。 それで自分は変わったのか? たぶん変わっていません。 変わったという実感を持てなかったので。

ただ本書で「検索ワード」という考えを知り、そういえばという気付きがありました。例えば、学生時代に行ったオーストラリアでは自分自身の本質的な部分の変化はなかったと思っていたけど、日本(日常)を離れ、初めての土地(非日常)での生活はボクの中での「検索ワード」を変えたことは間違いないと断言できます。

ネットには情報が溢れているということになっているけど、ぜんぜんそんなことはないんです。むしろ重要な情報は見えない。なぜなら、ネットでは自分が見たいと思っているものしか見ることができないからです。そしてまた、みな自分が書きたいと思うものしかネットには書かないからです。

インターネットが発達し、誰もが手にしたい情報にいつでもたどり着ける状態にはなっているけど、検索をかけるボクたち自身に変化がなければ何も変わらないということでしょう。発達したインターネットをより有益に活用するために、ボクたちが新しい「検索ワード」と出会う旅に出掛けるべきであるという著者の主張に、ボクは賛同しています。

まとめ

最後に本書冒頭の記述を引用します。

ネットは階級を固定する道具です。「階級」という言葉が強すぎるなら、あなたの「所属」と言ってもいい。世代、会社、趣味......なんでもいいですが、ひとが所属するコミュニティのなかの人間関係をより深め、固定し、そこから逃げ出せなくするメディアがネットです。

この章のタイトルが「強いネットと弱いリアル」です。

ネットがいくら便利で強大な存在になったとして、リアルを生きるボクたちがそれに従ってばかりでは新しいものの発見はないと思います。身近な話をすれば、人に勧めたくなるような美味しい居酒屋をPC画面の前で探すより、自分の足で歩き飲んでみて気に入った居酒屋の方が良かったりします。ネットもいいが、「外へ出よ」ということでしょう。