鳥の日記

いろいろと書いていきます。

【鑑賞メモ】思い出のマーニー

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はじめに

まず、この映画に対して持った感覚は「この映画好きだな。」てことだ。とにかく、感覚的に「この映画好きだな」と思ったのだ。同じことは近年の邦画であると、「百万円と苦虫女」や「桐島。部活辞めるってよ」でも味わってきた。それら挙げた映画の中でボクが共通していえることは主人公や主要登場人物への共感だ。補強して言うと、共感する人物たちが味わう苦い思いへの共感である。

あらすじ

簡単なあらすじを説明しておく。人間不信で自己嫌悪に悩む少女 杏奈は、病気療養のため、札幌の都会から空気が澄んで自然豊かな湖のある町に行くことになる。そこで金髪で青い目をした少女マーニーと出会う。マーニーは杏奈にしか見えない不思議な少女。杏奈の閉ざされた心は、マーニーとの交流の中で次第に開かれ成長していくという話となっている。

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毎日普通に過ごせるように

七夕の短冊に書く願いを「普通に過ごせるように」なんて中学生の女の子が書くことだろうか。短冊とは全員に公開される運命のものであるため、そこで周りが引いてしまうような変化球しかもマイナス方向の願いごとなんて書くもんじゃないだろう。しかし、それを書いてしまうような杏奈の心は深く閉ざされているのだろうと分かる。主人公への共感がこの映画を好きとなった理由と述べたわけだが、まさにこのシーンも決定的な一打であった。

ボク自身も同じく中学生時代に学校行事の七夕の短冊に記す願いに「野球を辞めたい」と周りがゾッと引いてしまうようなネガティブな願いを書いていたのだ。当時所属していた野球クラブでの人間関係の悪化というかイジメで苦しんでいたことが原因でつい本音を幼心で書いてしまったのであった。当時ボクも毎日普通に何事もなく過ごしたいなと本気で思っていた。むしろ願っていた。

私は私が嫌い

物語冒頭、公園のベンチで1人孤立しスケッチをする杏奈は心の中で言う

「この世の中には目に見えない魔法の輪がある」

その内側にいるのは大多数の人間でその中でみんな仲良く楽しそうに生活している。その外側にいるのが自分(杏奈)である。周りと打ち解けることが出来ない。打ち解けようとも思わない。そんな自分が嫌いである。

絵を描くことが好きな少女

今作にて、杏奈が絵を描くということが物語上の大事な次へのステップとなっている。マーニーと出会うきっかけも湖畔へスケッチに出掛けたためであるし、重要なキーパーソンとなる久子さんとの出会いも絵がきっかけとなっている。絵を描くことが彼女の生き甲斐となっている。

自分も嫌いで周囲との交流もうんざりでつらく苦しんでいる時に、なにか打ち込めるものがあることはとてもありがたいものである。ボクの場合では映画やドラマや小説であった。つらく苦しい思春期の乗り越えてきたのも、心を沸立てるような物語の世界に浸り、それを日々心待ちにしていたからである。

勇気をもらえる作品(最後に)

超人的な力や精神で現状を打開し、よりよい未来を切り開いていくストーリーが一般に名作となっている。だが、そういった作品等の主人公には特別な力があったり、憧れるしかない強靭な精神を持っていたりと、共感できる余地が少ない。もちろん、そういった作品は間違いなく面白い上興奮させられる。

ボクが好きな作品は、自身のコンプレックスに悩み苦しむ主人公がゆっくりながらも成長していくというものである。そういった作品にこそ、勇気がもらえる。

オススメ!

 

思い出のマーニー〈上〉 (岩波少年文庫)

思い出のマーニー〈上〉 (岩波少年文庫)