鳥の日記

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【読書メモ】アズミ・ハルコは行方不明

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舞台はどこにでもあるような地方都市。昨今、ファスト風土と呼ばれる国道を車で走れば何でも揃う大型量販店が乱立し、郊外には巨大ショッピングモールが建つ風景の都市。そんなある街で起こるアズミ・ハルコという女性の失踪と少女ギャング団の連続暴力事件を核とし、それに関わる若者たちの人間模様が描かれる作品である。

 

著者である山内マリコさんの前作「ここは退屈迎えに来て」と同様に舞台は日本の地方都市、前作よりかは「地方」というテーマに力点は置かないまでも、地方だからこそ成立するストーリーや登場人物たちの行動や言動があるため、今作でも「地方」はスルーできない重要なテーマであろう。

前作同様に、地方での生活は都会生活に比べて、端的に言うとダサいといったことを言い表した文章がある。

同級生はみんなここが好きだ。地元サイコ-と恥も外聞もなく言い合って、ネットもせず、実家暮らしに満ち足りている。車選びで個性を表現、休日はショッピングモールに集合。そんで時間がなにをしていいのかわかんなくてパチンコ。一人暮らしの名古屋でふらりとパチンコ屋に入るのと、地元でゾンビみたいにパチンコ屋に通うのとでは意味が全然違うんだよ、

 これは名古屋で生活した後、地元に戻ってきた登場人物の青年の心の思いである。

 もうこういった考えは辞めないかとボクは提案したい。

地方生活と都会生活の差はこの10年近くで随分と縮まってきたとはいえ、ある程度差はまだある。今や、生まれた土地で働き、結婚し、家庭を築き、死を迎えなければならないなんて、決まりはないのだから、都会に憧れ、地方で閉塞感を感じ、ジメジメとしてた気分で生活している人はとっとと行きたいトコへ行きなさいと言いたい。都会のほうが職が溢れているのだから、生活は意外となんとかなるのではないかと思う。

ボク自身もまさに、この物語のような地方都市で生まれた。大学進学で都会に住み就職先も都会のはずが、初めの配属地で地方都市に住んでいるという状況だ。

学生時代に楽しんでいた、映画館巡り、野球観戦、音楽ライブなど都会に住んでいたからこそ、享受できていたものに触れられなくなった生活に不満がとても溜まっている。だからもうそろそろ、出ていこうかと思うのである。

とにかく、オススメです。

 

 

アズミ・ハルコは行方不明

アズミ・ハルコは行方不明

 

 

 

ここは退屈迎えに来て

ここは退屈迎えに来て

 

 

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